【悪質勧誘】クラウドワークスでの超高額AIスクールへの対処法

「稼げる」と言われて入った高額スクール — 解約と返金の進め方

最近、私たちの元には次のような相談が増えています。

多くの相談者から同じ内容で問い合わせがあるため、注意喚起を目的として記事を作成します。

※特定の事業者に対する記事ではなく、一般論のため、本記事を読んでいる方に当てはまるかは分かりません。あくまで悩んでいる方、返金して欲しいけれど手順がわからない方はご参考までに。

クーリングオフの期限が過ぎていても、受講が終わっていても、悪質な場合は返金が認められます。 中には受講終了していても全額返金命令となった事例もあるので、悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。

※返金手順だけ知りたい方は、第5章〜第8章をお読みください。


目次

  1. こんな勧誘を受けた場合は解約を考えましょう
  2. 勧誘内容に違和感はありませんか?
  3. 本当に元がとれる?
  4. 高額スクールは「早く辞めてお金を取り戻す」方向で考えてください
  5. お金を取り戻すための進め方
  6. クーリングオフについて
  7. 支払い方法別|今すぐできること
  8. 一つの落とし穴 —「返金します」に近づかない
  9. 最後に

第1章:こんな勧誘を受けた場合は解約を考えましょう

次のどちらかで入会した場合は、まずクーリングオフ・解約を推奨します。

① クラウドソーシングで仕事に応募したら、いつの間にかスクールに勧誘された

仕事を探して応募した案件の採用面談やメッセージのなかで、「あなただけ特別」「入れば結果が出る」「案件を取るためにはスクールで教わるしかない」など、強制的に話がすり替わっていた形。

多くのクラウドソーシングサイトでは、こうした勧誘は利用規約違反です。

よく考えてください。案件だと騙してスクールの案内をする事業者が、まともだと思いますか?

② SNS広告などの「誰でも」「簡単に」「月◯◯万円」に惹かれて入会した

SNS広告などでよくある方法として、「簡単に〜」「月〇〇万円誰でも稼げます」といった強い表現で訴求している事業者がいます。

これらの断定的な訴求は、景品表示法・特定商取引法に触れる誇大広告にあたる可能性があります。


入り口の時点で規約や法律のラインを越えている相手が、契約後だけ誠実に対応する——そんなわけがありません。しっかりとしたサービスは、法令遵守・規約遵守できてはじめて提供できるものです。

逆に、このような手段をとってまで勧誘・営業活動をする=そうでもしないと入会しないようなサービスだからと考えた方が自然です。


第2章:勧誘内容に違和感はありませんか?

まず、悪質な事業者は勧誘の仕方が特殊です。巧妙に嘘を織り交ぜて、優良サービスだと誤認させてきます。相談の中で多かったTOP5を紹介します。

①「こんな実績者がいます!」で匿名・顔出し無し

もっとも相談が多かった事例では、勧誘を受けた時の実績者の名前や顔が出ていないというものでした。

説明では「個人情報保護のため」という言い訳があったそうですが、まず間違いなく実績者としての信頼はありません。匿名・顔出しなしでは、いくらでも捏造できます。

逆に考えてください。顔出しで公表できる実績者を育てられていないのでは?

大手のスクールでは、顔出しで実績者の報告をあげています。名前も出ています。ネットで検索したら、その人にアクセスできたりします。

あなたは、その存在するかもわからない、本当に実績が出ているか証明できないスクールの実績者を信用しますか?

実際に、今年大阪でスクールの実績者を偽っていたとして運営者が逮捕された事例もあります。

また実績者の中には、テストモニタと呼ばれる、サービス初期の元から稼いでいる人にお願いして入会してもらい、実績として見せるパターンがあるそうです。実績者として紹介されている人がいつの実績者かも確認した方が良さそうです。

②「今だけの価格です!」「モニタ価格です!」「テスト価格です!」

これもよく聞きます。本当に限定価格なわけがありません。

もちろん中には本当に今だけのサービスをしている事業者もいますが、多くの事業者ではただの営業手法として、高い金額を先に見せ、その次に安い価格を「あなた限定で」などの文言として言えば安く錯覚させて契約を取るために、そのような形で見せています。

現に、私に相談している方の中には、1年差で同じスクールに入会しているのにも関わらず、どちらの方も「今だけ限定価格です」と言われたそうです。

③「有名大学と連携しているベンチャー企業です!」

とくにAI系のスクール事業者に多いのですが、「東京大学のAI研究をしている松尾研のスタートアップ・ベンチャー企業です!」と名乗ってくる場合があります。

本当にそうなのか確かめたことはありますか?名乗っているだけではないですか?

下記のリンクで、実際に松尾研と関わっている会社が公開されています。ここに名前がなければ、嘘をついていることになります。

※中には、松尾研に所属していたメンバーと連携している事例を「松尾研と関わりがある」とアピールする事例もあります。誤認を狙う悪質な事例なので注意しましょう。

④「副業プロの一流講師がいます!」「有名講師がいます!」

特にSNS系スクールに多い事例として、インフルエンサーが講師になっているとアピールする場合や、クラウドソーシングで紹介されるような一流講師が所属しているとアピールする場合があります。

本当に講師として所属していますか?

最も多い事例としては、名前貸しと、過去に所属していたパターンです。

一時的に所属していたり、巧妙にいるかのようにアピールして、実際入会したらその講師は辞めてしまっていた。これもよくある事例です。

また、一流と言われている講師の授業を受けられない事例も報告を受けています。なんの実績もない講師が担当になっている場合が多く、営業時に出てきた講師に教わることが一度もなかった、などもあります。

そして最大の問題が、講師の実績が盛られていることがある場合です。「月に◯万円稼いでいます!」と言われたが、実は過去の話だった。稼いでいるが別の仕事だった。こんな悪質事例もあります。

⑤「将来的に案件を渡せます!」

立派な業務提供誘引販売という形態になります。お仕事を上げることが確約されているかのように振る舞ってサービスを契約させるのはかなり悪質であり、もし一つも仕事を貰えていない場合は、立派な契約違反で返金できます。

また相談で多かったのが、「将来の話であり、今渡せるわけではない」という言い分でお仕事を渡してくれない事例です。案件で勧誘している=サービスで勝負できない事業者と思っても良いです。


第3章:本当に元がとれる?

わくわくする感情はいったん置いて、一つだけ確認してください。

スクール費用を回収できる計算をしていますか?

多くのスクールは「3か月目あたりから成果が出始める」と説明します。その期間を過ぎても収益がほとんどないなら、少なくともそのままサービスを受けても回収できる可能性は限りなく低いと言えます。

ここで、ありがちな状況を具体的な数字で見てみましょう。

モデルケース:12ヶ月サービスを受け、75万円を支払う場合

① 75万円を回収するのに、何か月かかる?

スクールで「よくある成果」とされる、月5万円を稼げたとします。ただし手取りはその8割。実際に手元に残るのは月4万円です。

項目 数字
支払額 75万円
よくある成果(額面) 月5万円
手取り(8割) 月4万円
回収に必要な期間 75万円 ÷ 4万円 = 約19ヶ月(1年7か月)
成果が出るまでの3ヶ月を加算 約22ヶ月(約2年)

しかもこれは、スクール入会後初月から1年7か月のあいだ、一度も途切れず、毎月きっちり5万円を稼ぎ続けられた場合の数字です。実際は3ヶ月ぐらいでやっと成果が出ます。

スタートラインに立つまでに約2年かかります。そこまでしても、やっとスクール費を回収しただけです。

② 本当に、その期間ずっと走り続けられる?

多くの人には、平日に本業があります。副業に使えるのは、仕事で疲れて帰った平日の夜と、休日だけ。

その中で月5万円を、2年間、一か月も欠かさず続ける——現実には、繁忙期・体調不良・家庭の予定・モチベーションの低下で、多くの人が途中で手を止めます。一度止まれば、回収はさらに先へ延びる。「毎月必ず」という前提そのものが、実は現実的ではないのです。

③ では「現実的な期間」で回収するには、月いくら必要?

多くのスクールがサポート期間1年としています。この1年で回収するとしたら——

前提 必要な収入
1年(12ヶ月)で回収 手取り月6万円強=額面で月およそ8万円を12か月連続
6ヶ月75万円の超高額スクールの場合 額面で月およそ16万円を6か月間

副業だけで月20万円以上を稼ぐ実績者は、ほとんどいません。 つまり現実的な期間での回収は、ごく一部の上位者すら超える成果を、初心者が出し「続ける」前提になってしまうのです。

繰り返しますが、これを達成できないのは努力不足ではありません。 そもそも、払った額を回収できる設計になっていない——教え方やサービス内容が、あなたに合っていないだけのことです。


第4章:高額スクールは「早く辞めてお金を取り戻す」方向で考えてください

はっきりお伝えします。

ここまでに挙げた入り方(クラウドソーシングでの勧誘、「誰でも・簡単に・月◯◯万」の広告)で入会した高額スクールは、約束された時期を過ぎても収益が出ていないなら、続けるより、解約してお金を取り戻す方向で考えるのが現実的です。

理由は3つです。

①「稼げる」という約束に、確かな裏付けがない

これらのスクールは「受講すれば稼げる」と言いますが、本当に多くの受講生が稼げているのかを示す確かなデータは、まず出てきません。 あなたは、検証できない約束に高額を払っている状態です。

② 回収できない額の費用設定

高額スクールでは上のモデルケースのとおり、よくある成果(月5万円)では、手取りベースで回収に1年半以上かかります。約束の時期を過ぎても収益がほとんどないなら、ほぼ回収は不可能です。

③ もっと低額で質の良いサービスは存在する

仮にあなたが別のスクールに入っており、結果が出ないから高額のスクールに乗り換えた。これは半分正解で半分間違いです。

「毎日セミナーがある、個別指導、特別ノウハウがある、だから高いんです」という論理は、筋が通っているようで破綻しています。同じことをして、もっと安いサービスはいくらでもあります。 例えば年間50万円ほどで実績者多数のスクールや、月額制で2万円・縛りなしのスクールなど。

そして多くの高額スクールの実態として、値段に見合った価値のノウハウと呼べるものはありません。

結局は個別指導でも、セミナーの回数でもなく、公表されている実績が全てです。


続けるほど、失うものが増える。 今やめれば、取り戻せる可能性のあるお金があります。迷って続ける1か月ごとに、その「取り戻せるかもしれないお金」は増え、回収はさらに遠のきます。

もちろん、正規に運営され、あなたに合っていて、実際に成果が出ているスクールもあります。それに当てはまるなら、続ける判断もあります。ただ、この記事で挙げた入り方やチェックリストに当てはまる項目が多いほど、答えは「解約」に傾くと考えてください。


第5章:お金を取り戻すための進め方

最初にやってはいけないこと

いきなりスクールに「辞めたい」と直接連絡するのは、おすすめしません。

引き止めや説得で時間を稼がれ、対応が長引くことがあります。場合によっては、証拠を捏造される可能性まであります。

まず証拠をそろえ、公的な相談窓口という「味方」をつけてから動く——これが基本です。

また、辞める際に面談したいと言われることがあります。これは引き留めの可能性が高く、またうまく言葉を引き出し、理由をつけて返金拒否になる場合もありますので、絶対に応じず、直接連絡は避けましょう。

Step 1|まず証拠を集める(スクールには何も言わずに)

削除されやすいものから、静かに保存します。

録音がなくても大丈夫です。 面談で言われた言葉(「今だけ」「すぐ回収できる」など)を、言われた日付とセットでメモに残しておきましょう。

Step 2|「聞いていた話」と違う点を洗い出す

広告・説明ページ・面談での言葉を見返し、次に当てはまるものがあれば保存してください。当てはまる数が多いほど、相談時にあなたの立場は有利になります。

◆ 宣伝・数字を疑う

◆「実績者・受講生の声」を疑う

◆「講師」を疑う

◆「仕事の獲得」を疑う

◆「契約書」を疑う(クーリングオフに直結します)

◆「サポート」を疑う

これらの多くは、あなた自身の受講記録のスクショだけでも証明できます。


第6章:クーリングオフについて

クーリングオフは、契約から一定期間内なら、理由を問わず・違約金なしで契約を解除できる制度です。

ここで大事なのは、「自分で申し込んだから対象外」と早合点しないこと。 オンラインスクールでも、次のような形なら対象になることがあります。

※契約書に不備があれば、スクールを受講していたとしても、そもそも契約が開始していない扱いになります。

勧誘・契約の形 該当する取引類型 期間
「仕事を紹介する」「収入が得られる」「将来一緒に働きたい」と誘われて契約した 業務提供誘引販売取引 20日間
電話や Zoom 面談などで勧誘され、その流れで契約した 電話勧誘販売 8日間
語学・プログラミング・パソコン操作など「継続的に教える」サービス 特定継続的役務提供 8日間

自分から広告をクリックして完結した「通信販売」には、法律上のクーリングオフはありません。ただし実際には上のどれかに当てはまることが多く、判断は微妙です。必ず窓口で確認してください。

期限が過ぎていても諦めない理由

この期間は、法律で定められた契約書面をきちんと受け取った日から数え始めます。

裏を返せば、その書面を渡されていない、または法律で決められた記載が抜けている場合、期間がまだ始まっていない扱いになり、契約から何か月経っていてもクーリングオフできることがあります。

手元の契約書を確認する価値は、ここにあります。

手続きの進め方

  1. 書面で通知する:ハガキや手紙に「契約年月日・契約内容・事業者名・契約を解除する旨」を書きます。
  2. 証拠が残る形で送る内容証明郵便+配達記録がもっとも確実です。出した書面は必ずコピーを取り、送った証拠を保管します。(2022年の法改正で、メールや事業者の解約フォームなど電子的な方法でも通知できるようになりましたが、証拠を残す意味では書面が安心です。)
  3. 「出した日」で間に合う:クーリングオフは、相手に届いた日ではなく発信した日を基準に判断されます。期限ぎりぎりでも、消印の日付が期間内なら有効です。
  4. クレジット・ローンで払った場合は、信販会社にも同時に通知します。

理由を書く必要はありません。 支払ったお金は全額返金され、それまでに受講した分の料金を支払う必要もありません。

具体的にどの制度・何日が当てはまるかは、必ず 188(消費者ホットライン)で確認してください。 期限や書面の要件は状況で変わり、専門の窓口が正確に判断してくれます。


第7章:支払い方法別|今すぐできること

いずれの場合も、スクール本体との交渉は、直接ではなく窓口や専門家を通したほうが安全です。

相談先 — すべて独立した窓口。相談は基本無料

どこに相談すればいいか分からなければ、まずここへ。あなたの味方は、あなたからお金を取ろうとしない窓口です。

契約の取り消しには「気づいてから1年/契約から5年」といった期限があり、取引の形態によって使える制度が変わります。

特に「仕事を紹介する・収入が得られると言われて契約した」「教える内容がパソコンや特定ソフトの操作説明が中心だった」といった場合は、通常より手厚い解約・返金の制度が使える可能性があります。心当たりがあれば、その点も窓口で伝えてみてください。どの制度が当てはまるかは、窓口で確認するのが確実です。

何を話せばいいか分からないとき — そのまま使える台本

「電話で何を言えばいいのか分からない」——大丈夫です。専門用語はいりません。 次のひとことから始めれば十分です。

最初のひとこと(そのまま読んでOK)

「オンラインスクールの契約のことで相談したいです。仕事を探していたら勧誘されて、◯◯万円のスクールに入りましたが、話が違うので解約したいと思っています。どうすればいいか教えてください。」

あとは相談員が順番に質問してくれます。次のことをメモにして手元に置いておくと、スムーズです。分からない項目は「分かりません」で構いません。

【メモ】

伝え方に自信がなくても問題ありません。メモを見ながら、途中で詰まっても大丈夫です。相談員は毎日こうした相談を受けているプロで、あなたを責めることはありません。

電話がつながりにくいときは、時間をおいてかけ直すか、お住まいの市区町村の消費生活センターに直接連絡しても、同じ相談ができます。

クレジット・ローンで支払い中の人へ

信販会社への連絡も、同じ要領で大丈夫です。

「◯◯というスクールの契約でトラブルがあり、支払いを止めたいです。『支払停止の抗弁』を使いたいのですが」

と伝えれば通じます(詳しくは前の「支払い方法別」を参照)。


第8章:一つの落とし穴 —「返金します」に近づかない

「あなたの今のスクールは詐欺」と近づいてくる "別のスクール"

これがいちばん見抜きにくい手口です。 あなたの被害につけ込み、"救済者" の顔をして、実は自社への乗り換えを狙ってきます。

次のような動きが出たら要注意です。

一見、親切に見えます。でも構造は、最初にあなたをだましたスクールとまったく同じです。

しかも、これらの手口自体が違法になり得るものばかりです。

行為 抵触しうるもの
他社を偽って批判する 営業誹謗
「稼げる」と言い切る 断定的判断の提供
返金の代行や指南をする 非弁

規約や法律を平気で破る相手が、あなたのためだけに誠実に動くとは考えにくいのです。

見分け方はシンプルです

本当の味方は、あなたに何かを「買わせる」必要がありません。

解約・返金の相談は、無料で中立の 188/消費生活センターか、資格のある弁護士・認定司法書士へ。

「他社を悪く言う」「解約を代わりにやる・指南する」「必ず稼げる」「今すぐ乗り換えを」と迫ってくる相手は、名前が "スクール" でも "サポート" でも、次のワナだと思って距離を置いてください。


第9章:最後に

自分の未来のために学ぼうとしたあなたの姿勢は、間違っていません。 問題なのは、その気持ちにつけ込む側です。

一時の感情ではなく、事実と数字で判断してください。そして動くなら、証拠が残り、記憶が新しいうちが有利です。

まずは 188 に電話する——それだけで、十分に第一歩です。